君とあたしと…彼。
待合い室で…


「次からはいいから」


そうお母さんに告げた。


お母さんは静かに頷き、
頭を優しく撫でてくれた。


この手の温もりに涙が零れた。


「じゃお母さん帰るわね」

「うん…ありがと」

「頑張るのよ?」

「わかってるよ」

「連絡頂戴ね」

「うん」



お母さんと別れ、
足を出そうとした時…


「有紗」


と後ろから声が聞こえた。



「ゆう…?」

「迎え来た」

「なんで?」

「…意味はない」


ムスッとしてしまったゆう…。



心配だった。
と後から聞き、
ゆうの照れ屋に笑った。



< 186 / 209 >

この作品をシェア

pagetop