君とあたしと…彼。
「あたしもバイトしようかな」

「ゆうが許さないっすよ」


昴がこの日初めて
口を開き目が合う。



「…でもこのままじゃ」

「俺等もバイトする」



大地の言葉にあたしは戸惑う。


「有紗も居心地悪ぃだろ?」

「どういうこと?」

「この家から出たいだろ?」

「それは…」

「姉貴もいるみてぇだし」



お姉さんの部屋を指差しながら
大地は苦笑いをした。



「お姉さんは優しいよ?」

「それは知ってる」

「だから居心地とか…」

「有紗がいいならいいけど」

「ありがと、大地」



大地の優しさは本物。
もちろん昴もね。


2人は1時間程して去ったが、
バイトをしてくれるらしい。



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