君とあたしと…彼。
今日も彼の顔には
チラホラと傷が見える。


「ゆう…ごめんね?」



人通りが少ない夜道に
地味に響いたあたしの声に
彼が足を止め、振り向いた。



「なんで謝る?」

「…傷痛そうだから」


控えめな声で呟くと
ギュッと抱き締められた。



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