君とあたしと…彼。
「聖夜よりも幸せだよ」


と冗談半分で言葉を掛けた。



「それは良かった」

「…じゃね」


レジを済ませ、
あたしはスーパーを後にした。



ほんとのところ…
影で気になっていたんだ。

聖夜はどうしてるかな?
彼女できたかな?
…幸せかな?


ずっとそう考えていた分、
今日の笑顔を見て
一気に胸が温かくなった。



「みんな幸せ…だといいな」


寒さを伝える空に
ポツリ本音を吐いた。



周りを見渡せば、
たくさんの人がいる。

スーツを着た人。
電飾の飾り付けをする人。
恋人と笑い合う人。
家族で笑う合う人。



…みんな小さな幸せも
見逃さずに生きているんだね。


あたしも今凄く幸せです…――。




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