君とあたしと…彼。
手に力が入らない…っ。

そしてそのまま
あたしはブランコから落ち、
倒れたまま夜空を見る。



「有紗!!」



すぐにゆうが掛け寄り、
壊れ物でも触るように
優しく抱き寄せてくれた。



「ゆう…っ…」

「無理すんな…おぶるから帰んぞ」

「…聖夜と…」



“聖夜”の名前に
ゆうの行動が静止した。



「聖夜と一緒に…乗ったんだ」

「…あァ」

「楽しかったなァ…なのにっ」

「もういい…喋んな」



ゆうは凄く切ない顔してた。


こんな思い出話し…
聞いても意味ないよね。



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