君とあたしと…彼。
「ちょっと出れるか?」

「うん、平気だよ」



あたしと大地は
近くの空き地へと入り、
フェンス越しに座り込む。


「急にどうしたの?」

「特になにもねぇよ」

「…ゆうは怪我してない?」

「ゆうは強ぇから」

「…だよね」



良かった…。

早くゆうに会いたい。
抱き締めてもらいたい。



「まだ長引きそうなんだ」

「そっか」

「ゆうも心配してる…」

「…ん」

「だから今日来たんだ」



と変わらない笑顔を見せ、
立ち上がった。


< 51 / 209 >

この作品をシェア

pagetop