君とあたしと…彼。
「安西…相変わらず痛ぇよ」


キッと睨まれ…


「すげぇ苛つく」



と八重歯を見せた愁の目は
凄く真剣で…怖かった。



「聖夜だったら倒せたかな~」


と夜空を見上げる愁に
あたしは石を投げつけた。



「何すんだよ!」

「聖夜の名前は出さないで」

「元彼の名前なのに?」

「っ…やめてっ」

「可哀想だな、聖夜も」

「…っ」



聖夜…聖夜…と
名前を出す愁を打った。



頬を抑えあたしを見つめる瞳。



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