君とあたしと…彼。
月の光と被って
どんな顔してるかなんてわからない。


だけど…
だけど…
それでもあたしは名前を呼んだ。



「…ゆう…」

「…出歩くなって言ったろ?」

「…ごめん」



やっと…見えた。


この数日ずっと見たくて…
会いたかった…ゆうが。



「殺されたらどうすんだ」

「……。」

「お願いだから…」

「ゆ、う…?」

「俺の側にいて…」



バカだよ…ゆう。
その言葉を言うのはあたしだよ。


反対だよ…っ。


< 58 / 209 >

この作品をシェア

pagetop