君とあたしと…彼。
「ごめんね…昴」

「謝らないでいいですよ?」

「でもっ…昴、左利きだし」

「右に慣れたから」



と微笑んだけど、
どこか苦しそうな表情が見える。



「有紗、中入るぞ」

「あ、うん…またね、昴」

「あァ」



大地に続き久しぶりに入った倉庫は
何も変わらない風景で安心した。



「あ、ゆう!」



ゆうの姿を見つけ、
あたしは名前を呼ぶと
チラッと振り向いてくれた。



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