君とあたしと…彼。
――現在――


「さ…有紗…」

「…ゆう…?」

「起きろ、もう12時前だ」



あれ…あたし夢みてた?


ゆうはそっと起こしてくれて
優しい瞳を向けた。



「何か夢みてた?」

「ぇ…」

「魘されてた」

「…過去の夢みてた」

「……そっか」



言わなきゃ良かった…
ってすぐに反省しちゃう。



だってゆうの瞳が
凄く切ないから…。


「ゆう、送ってくれる?」

「…あァ」



表に向かうと、
みんなの姿が無く、
大地だけが煙草を吹かしていた。



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