加納欄の奪還 シリーズ25
「うわ、さみぃ!なんだよ、雪降ってんじゃん!早く行こうぜ」

イチが、シンを促した。

あたしは、今しかないと、シンに向かおうとした。

「だから刃向かっちゃダメだって、ホントにあの女やっちゃうよ」

脅迫めいた言葉に、一瞬のスキができ、あたしの身体に、バリバリッと、電流が走った。

「ああっっっ!!!」

あたしは、電流の激しさに、のけ反り、地面に倒れた。

「あ……う……し、しょ……う……」

「あと、わかってるよね?明日の連絡待ちと、今、俺らを、追いかけないって」

シンは、ニッコリ笑うと。

「念のため」

と言って、シンは、スタンガンを首筋に当てると、電流を流した。

あたしは、電流のショックで、数秒で気を失った。

「ホントに、強いのかよ、この女」

シンは、気絶しているあたしに向かって、あざ笑うと、イチと一緒に暗闇に消えて行った。




気がついたのは、お店の店員さんが、倒れてるあたしに気づいて、起こしてくれた時だった。

救急車呼びますか?と聞かれたけど、丁重にお断りし、手を首にあてながらなんとか立ち上がり、通りに出た。

「祥子さん……」

辺りを見回しても、通行人が行き交うだけで、怪しい人影は一切見当たらなかった。




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