10日間の奇跡
俺と結香は昨日夕日を見に来た海岸に来た。

けっこう穴場らしく人は昼間なのに少なめみたいだ。
さっそくシートを敷いて靴を脱いで海に入った。

「わぁ!!冷たっ!!」

結香がばしゃばしゃと足踏みしている。しばらくすると慣れてきたらしく服の裾を濡らさない程度の深さのところまで歩いて行った。
「結香気をつけろよ!!」

俺が叫ぶと結香は振り返って大きく手をふりながら言った。

「大丈夫だよー!雷斗もこっち来なよ☆きもちいよー!!」

結香が手招きをしながらなぜか背伸びをした瞬間結香がふっと消えた。

俺はどうしようもない不安に襲われ結香の居たとこれへ走って向かった。

すると結香は……

みごとに転んで全身びしょ濡れになっていた。

俺と結香はお互い顔を見合わせて笑った。
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