10日間の奇跡
「覚えていてくれたんだ。」
結香は笑顔で答えた。

「当たり前だよ!!
だって雷斗とした初めての約束だもんね。」

でも守れてる自身なんて全然なかった。

だってこれから別れなきゃならないのも俺のせいなんだよ?

なのにどうして…?

「雷斗。言っておくけど私が死んだのは雷斗のせいじゃないよ?」

「えっ?だって……。」

俺の目からはいつの間にか涙が溢れていた。

「あの事故は誰のせいでもないの。全て運命で決まってたんだよ。」

結香はすごいやつだと思った。

自分の死も運命として受け入れていた。

前にしっかり進んでた──…。

なのに俺は……。
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