10日間の奇跡
「やっと帰ったか……ん?」

俺は目の前に黒い手帳が落ちているのに気づいた。

明らかに親父のものだった。

俺はそれを拾い上げた。

それと同時に2枚の紙がヒラリと落ちた。

「何だこれ?」

それを見た俺は目を疑った。

そこに移っていたのは幼い俺。

もう1枚の方には微笑んだ母さん。

ふと裏を見た。

俺の写真には、写真を取った日付と………

 『俺大切なの息子雷斗』

と記されていた。

母さんの方には………

『最高に愛してる人夏樹。』

と書かれていた。しかし、写真の日付は8月15日と書かれていた。

「日付を間違えた…?」

俺は気づいた。いや、そんな気がした。

─この写真の日付は間違っていない──…と。
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