10日間の奇跡
目的地の駅に着いた。
そんなに都会じゃないけどけっこうオシャレな店が並んでいる。

俺がよく服とか靴とかよく買いに来ているところだ。
結香は周りの店を見ながら自分好みの店を見つけると入って見ていた。

「あっ!!この服かわいい…。」

それはバルーンになっているワンピースでフロントにリボンがついていた。結香はワンピースが好きなようでさっきから夢中になっている。

「よし!!買ってやるからレジ持ってけ。」

「えぇっ!!いいよ〜こういうのってけっこう高い……。」

結香は値札をみて固まっている……。

俺はにこにこしながらその様子を見ていた。

「えっ!?

安い……。」


そうなのだこの辺りはけっこう手軽な値段で服を買うことが出来るのだ!!


「だろ!!だからいいよ。入院してるからバイト代そのままだし☆」

結香はその服を鏡で合わせると買うことに決めたようで持ってきた。

「お願いします。」

「じゃあ…財布渡すから自分で買ってきて。さすがに俺が持ってはいけないからさ!!」


結香は財布を受け取りレジに向かった。

「雷斗ありがとう!!」

あの笑顔だった。


遺影と同じあの笑顔──…。
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