10日間の奇跡
あっという間だったなと思った。

あんなにめんどくさかったのに。俺は呟いた。

「不思議だな──…。」

「なにが?」


結香がいきなりつっこんできた。

「別に……。」

俺が曖昧な返事をすると結香は納得がいかないようで「ふぅん。」と言った。


この日俺は人生最初で最後の一目惚れをした。
この姫野結香に──…。


それに気づいた俺は毎日の図書館の整理が楽しみで楽しみで仕方なかった。


でも俺は気づいてしまった……。

この仕事には終わりがある。この仕事が終わったら結香との繋がりは全く無くなってしまうことに──…。

実際、図書館の整理はあと3日くらいで終わってしまう勢いだった。


そして俺は決意した。



図書館の整理の最終日に



俺、佐上雷斗は



彼女姫野結香に




告白します。
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