君のもの。Ⅱ
「恋をしてる人の顔ってさぁ…、なんか幸せそうなんだよね」
「……そうなの?」
「うん…―――」
だから僕は、恋をしてみたかった。
この身体で確かめてみたかったんだ。
人は、どんな感情を抱いて人を想うのか…。
でも、知りたい僕には知る術が無かった。
だって…、誰も教えてくれなかった。
女の子に恋をすることが、僕にとってこんなにも難しいことだったなんて。
僕は、どうしてもっと早くに気が付けなかったんだろう…?