君のもの。Ⅱ
「…啓太っ?」
「うん…―――」
僕は空を見上げた。
真っ白な空は雲に覆われていた。
うそ…。
これは啓太の声…?
…啓太が僕に話しかけてるの?
僕はビックリしすぎて言葉を失ってしまった。
「僕の声が聞こえるんだね…」
啓太が静かにそう言った。
…どこかで聞いたことのある声だ。
「ねぇ…、タカ」
…どこかで。
「…何?」
「先輩を取らないで…」
「……え?」
そうだ…。
これは僕の声だ…―――。