君のもの。Ⅱ
「…大丈夫だよ」
「…え?」
「琴夜はいつだって…君しか見えてなかったよ」
「……う、嘘だっ…」
啓太…、君は本当に幸せ者だよ。
その幼い心で、必死に琴夜を愛していたんだね。
「嘘じゃないよ…?…琴夜は今でも啓太しか見えてないよ」
「…そんな……」
「本当だよ…」
目に見えなくても、僕には分かった。
啓太はきっと今僕の目の前にいて、姿が見えないだけなのだと。
見えなくても、そこにいるのだと。