君のもの。Ⅱ
僕の目の前に立っている、啓太の小さな身体。
それは僕が想い描く通りに写し出された、僕そのものだった。
「…啓太、なの?」
「うん…」
本当に僕に似ている。
まるで鏡を見ているようだった。
しかし啓太の身体は、少し透けていて向こう側が見えてしまうほどに弱々しかった。
つつけば今にでも崩れてしまいそうだ。
そっか…。
啓太は幽霊なんだね。
これが、一度死んでしまった人間の身体なんだね。
「タカ…、驚いた?」
啓太が不安げな表情で聞いてきた。
「…うん、ちょっとね」