君のもの。Ⅱ






「もう…、こんな身体でなきゃ立てないんだ」





啓太が自分の身体を見ながら静かに呟いた。





「やだな…、タカみたいなちゃんとした身体に戻りたいな……」



「……啓太…」







啓太の目に光ったそれは、大きく形を作って落ちていった。







どうしてだろう…?



胸が痛いんだ。



目の前で人が泣いているからじゃない。



そんな簡単な理由じゃない。







啓太はもう、生きることさえ出来ないんだ…―――。







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