君のもの。Ⅱ

「…でもっ……」







その笑顔は、まるで悲しみに負けたように崩れてしまった。





啓太の頬が涙でぐしゃぐしゃになる。







「やっぱり辛かったっ…」



「……え…？」



「先輩が幸せそうで…、それは僕が何より望んだことなのにっ…」







啓太は小さな両手で顔を塞ぎ込んでしまった。





「……先輩は…もう、僕じゃない他の誰かを見てるんだって思うと…、胸が痛くてっ…僕…」



「…啓太っ……」







僕はたまらなくなって、啓太に駆け寄り、そして強く抱きしめた。







「………タ……カっ…？」







神様…、どうして？



どうして啓太が死ななくちゃいけなかったの…？





啓太は…、本当に悪いことなんて一つもいてない。





ねえ、神様…。









神様、どうして…―――？