君のもの。Ⅱ
「タカ…、…ごめんっ……」
次第に薄く見えなくなっていく啓太の身体。
でも、まだ温かい…―――。
「啓太っ…?」
「……行かなきゃ」
「そ、そんなっ……、ダメだよ消えちゃっ…!!」
「……でも、行かなきゃ…」
啓太は力の抜けるように、地面に膝を落とした。
「…ダメだよっ!!ダメだったらっ…!!」
どうして僕は泣いているんだろう?
どうしてこんなに悲しいんだろう…?
なぜか苦しくて、心が震えてるのが分かるんだ…。
「…もうすぐ琴夜が来るんだよっ!?」
僕は、今にも消えてなくなりそうな啓太にすがりついた。
どうしてだかは分からない。
だけどね…、啓太。
僕は今、どうしても君に消えてほしくないんだ。