君のもの。Ⅱ






僕はそれを必死で消そうとした。





今、僕の目の前にいるのはタカだ。



…大好きな、タカなんだ。



僕は、タカ以外なんて見ちゃいけないはずなんだ。







ねぇ、そうでしょ…啓太?







「タカ…大丈夫だから」



タカの頬に触れてみる。





思った以上に柔らかくて、それが押さえきれないほどに愛しかったんだ。





「タカ…」





僕は驚いた。







タカの頬は、いつの間にかたくさんの涙で濡れていたんだ。







―――…どうして?





急に胸が苦しくなった。





タカが泣いてる…。





タカ…。





タカ…、ねぇ…タカ。





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