君のもの。Ⅱ




僕の指を熱く濡らす、タカの涙。



僕は両手でそれを優しく拭いた。





「タカ…、どぉして…」



「…ごめんなさいっ………」



「え…?」



「ごめん…なさいっ…」







よく分からない…。



だけど、一つだけ分かったよ。







タカを見ていると、胸が痛くなるんだってこと。







君の涙を初めて見た。



それは何より僕の胸を締め付けて、弱くさせた。







神様…、意地悪だよ。



これじゃ、タカを好きなのか、タカに啓太の面影を重ねているだけなのか…分からないじゃないか。





確かに、感じるんだ…。



啓太と同じ、何かを。





でも、タカは啓太じゃない。





決して、同じじゃないんだ…。







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