君のもの。Ⅱ
タカの涙を必死で拭いた。
タカの小さな手だけじゃ、拭いきれそうになかったから。
「僕のせいでっ…、う…ぅ…僕のせいで…」
「タカ…違うよ?…タカのせいじゃないよ」
「うっ…琴夜…にっ…痛い思いさせちゃって……っ…」
改札を通り過ぎていく人たちの視線なんて、どうでも良かった。
その時の僕にはタカしか見えなかったんだから。
気付いたら、タカの小さな身体を抱きしめていた。
「……こ、…とやっ…////」
君の顔がどれだけ赤いかは、分からない。
でも、今はただ君の涙が止まっていれば嬉しい…。