君のもの。Ⅱ
ずっと、胸の奥にしまってた。
無理してしまい込んでいた。
「ねぇ、先輩…」
「…ん?」
「僕以外の人と、こんなことしないでね…?」
「…しないよ」
そう言って、僕は啓太に優しくキスをした。
「先輩、約束だよ…?」
「…うん」
初めて触れた、啓太の身体。
交わしてしまった約束。
啓太、…あの時君は、どんな思いで僕に身を委ねた?
あの約束は、君がいなくなった今でも、約束のまま続いているの…?
『僕以外の人と、こんなことしないでね…?』
『先輩、約束だよ…?』
今でも僕には、君が近くにいるみたいな、そんな感覚に襲われるときがあるよ、啓太…。