君のもの。Ⅱ
悲しくて、ただ悲しくて…。
夢の中で泣いた。
啓太…、僕は、夢の中でさえ君を抱きしめられない。
どうして、君はいないんだ…?
ねぇ、戻ってきてよ…啓太。
死んだなんて、嘘だ…。
嫌だ…、戻ってきてよ。
つい最近まで、僕の隣で笑ってたじゃないか…。
夢と現実の境界線をさ迷いながら、僕は泣いた。
啓太を想って、泣いた。
涙がこんなにも、止まらないものなんだってことを初めて知った。
心がこんなにも、脆いものなんだってことを初めて気付かされた。
今、過去をやり直すことが出来るなら…。
僕は、あの日に戻って君を守りたい。
僕は、君を死なせない…。
お願いだ、啓太…。
…戻ってきてよ。