君のもの。Ⅱ
「………嘘だろ…?」
司…、…ごめんなさい。
嘘、じゃないんだ…。
「…やめろよ、冗談」
「冗談じゃな…」
「ふざけんなよっっ…!!!!」
司の張り上げた声が、廊下中に響いた。
「タカ…、お前、俺のこと騙してたのかよっ…!??」
「ごめ…ん…なさ…」
「…俺が…兄ちゃんのこと、好きなの知ってて裏切ったのかよっ!??」
…司、…ごめんなさい。
涙が溢れ出した。
泣きたいのは、司の方なのに…。
僕って、最低だ…。
「司…、ごめん…」
「もういい…、お前なんて友達になった覚えねぇよっ…!!!!」
別れの言葉を吐き捨てて、司は走っていってしまった。
「……ぅ…うぁ…、あぁ…」
涙が止まらなくて、力の抜けたようにその場に座り込んだ。
僕は、大切な友達を傷つけてしまった。
もう、取り返しのつかないことをしてしまったんだ…。