君のもの。Ⅱ
『…けいた…行かないで…』
琴夜…、…苦しいよ。
…何も出来ないよ。
琴夜の心が僕の元に無いことを知っていても、僕の心はなおさら愛しがるんだ。
だって…、琴夜。
分かってるくせに…、僕には琴夜しか見えなくて、琴夜を失えば、僕には何も無くなってしまうんだってこと。
「…ぅ…ぅわぁっ…あぁ…」
涙なんかじゃ、誤魔化せない。
「…琴夜ぁっ……」
琴夜、助けて…。
…心が、痛いよ。
―――…ねぇ、琴夜。