君のもの。Ⅱ
この人も、高二なんだ…。
それにしても失礼な人だな。
小さいことくらい分かってるよ。
男子の成長期は、高校生になってから来るものだって習わなかったの?
僕は、先輩をムッと睨んだ。
その視線に気付いたのか、先輩は僕の方に向き直り、言った。
「…ん?…何、惚れた?」
先輩は白い歯をニッと見せて、意味深げに笑った。
「な、なっ…そんなんじゃないもんっ…!!!!」
こ、この人、何言ってるんだろうっ…!??
僕は、自分が廊下に座り込んでいたことをすっかり忘れていた。
立ち上がって、その場から離れようとした、その瞬間。
…なんということか。
先輩に、ひょいっと持ち上げられてしまった。