君のもの。Ⅱ




この人も、高二なんだ…。





それにしても失礼な人だな。



小さいことくらい分かってるよ。



男子の成長期は、高校生になってから来るものだって習わなかったの?





僕は、先輩をムッと睨んだ。





その視線に気付いたのか、先輩は僕の方に向き直り、言った。





「…ん?…何、惚れた?」



先輩は白い歯をニッと見せて、意味深げに笑った。



「な、なっ…そんなんじゃないもんっ…!!!!」





こ、この人、何言ってるんだろうっ…!??





僕は、自分が廊下に座り込んでいたことをすっかり忘れていた。



立ち上がって、その場から離れようとした、その瞬間。





…なんということか。





先輩に、ひょいっと持ち上げられてしまった。



< 60 / 125 >

この作品をシェア

pagetop