君のもの。Ⅱ






「ひゃっ…!!」



「うおっ!マジで軽いのなっ」



「はっ、離してぇっ…!」





面白そうに笑う先輩の顔が、なんだか悔しかった。





この人、本当に何なんだろう…?



いきなり話しかけてきて、今度はお姫様だっこなんて。





「あははっ!!顔赤いぞ?…まさか、ホントに惚れちゃった?」



「ち、ち、…違うよっ…!!!!」





本当に状況が読めない…。





でも、一つだけ。



気付くことがあった。



さっきまで、僕の心を支配していた悲しい気持ちが消えてるってこと。





不思議…、悲しくない。



どうして…―――?







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