君のもの。Ⅱ
「よっ…と、あぁ~重かった!」
「…さっき軽いって言ったくせに」
やっとのことで、拓海の腕の中から脱出することが出来た。
「じ、じゃあ…僕は、これで…」
僕は教室に戻ろうとした。
でも、なぜか戻りたくなかった。
それは、もっと拓海と一緒にいたかったから…なんて、そんなの違うよね。
何、考えてんだろ…僕。
振り返らずに、そのまま教室の中に入ろうとする。
でも、またあの声が僕の動作を止めた。