君のもの。Ⅱ








その日の僕は、拓海という不思議な人物に出逢ったことで、思うほどの悲しみには染まっていなかった。





でも、やっぱり考えてしまうのは司や琴夜のこと。









大切な友達を失った、後悔。





愛しい人との別れを拒む、無力さ。









最終的には自分を責めて、一人で頭を抱え込んだ。





司を傷つけてしまった。



その傷が消えるなら…。





僕は…、責任を取らなきゃ。





琴夜とのことは、無かったことにする…。



もとの形に、他人に、戻るんだ。







今の僕に出来ることと言えば、それだけしか無いんだから。





< 65 / 125 >

この作品をシェア

pagetop