君のもの。Ⅱ




「行ってきます…」





この通学路が、どこまでも続けばいいと思った。







たどり着きたくない。





悲しくなるだけだから…。









ひたすら、地面との睨み合いが続いていた。





そんな時、僕は二度と聞くはずのない声を聞いた気がしたんだ。







「タカっ!」





「―――…ぇ」







振り返る前に、その声の主が分かってしまった。



僕の頭はどうやら、その主をまだ鮮明に覚えていたらしい。





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