君のもの。Ⅱ
「なんつーか…、お前って、見てて心配なんだよな…」
拓海の目が急に真剣な色に変わったのが分かった。
見つめられて、吸い込まれそうになる。
「…昨日も、廊下に座り込んで泣いてたし」
「そ、それは…」
「今日だって…、下向きながら歩いてただろ」
「………」
何も言い返せない。
「お願いだから…、そんな悲しそうな顔しながら歩かないでくれよな」
「……え…?」
「見てるこっちまで悲しくなるんだよっ…」
…拓海。
それって、どういう意味…?