君のもの。Ⅱ






「……あ…」





拓海が僕の方を見て、一時停止した。





「………何?」



「タカ…、やっと笑ったな」



「…ぇ……」



「…やっと笑った」





拓海の指が僕の頬にそっと触れた。



反射的に、思わずギュッと目を瞑ってしまう。







温かい…―――。







「何?…キスとかしねぇよ?」





僕はその言葉に焦って目を見開いた。





「あははっ…してほしかった?」





ニラッといやらしい目付きで笑う拓海。





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