君のもの。Ⅱ
「タ…、あれ?何だったっけ?」
「えぇ~、フツーそこ忘れるぅ~?」
「あーっ、もうちょいで思い出せんのにっ!!」
「頑張ってぇ~!」
「…あ!思い出したっ!!!!」
「おぉっ、何ぃ~?」
「タ…って、ヤバっ!!!!朝練もう始まってるっ!ごめん、琴夜っ!」
「あっ…、う…うんっ…」
そう言い残して悟は教室を出ていってしまった。
「へぇ~…拓海も男の子が好きなんだぁっ♪」
なぜか…心が温かい。
それは、心の隙間が徐々に広がっていくような安心感だった。