君のもの。Ⅱ
「高橋くん、これ運ぶの手伝ってくれないかなぁ…」
「…あ、うんっ、いいよぉ」
あの頃の僕は、まだ幼くて。
恋することへの好奇心は十分にあったものの、それを実行することには無縁だった。
僕があまりにも幼かったせいで。
僕があまりにも知らなすぎたせいで。
「重いねぇ~…これ」
「…ごめんね、手伝わせちゃって」
「いやぁ、軽い軽いっ♪」
「あははっ…ありがとう」
僕は、一人の女の子を酷く傷つけてしまった。