蜜月 -love is blind-【BL】
「可愛くねー後輩だな」

「先輩達と仲良くするために入った部活じゃないっすから」

「つれねーなぁ、アキナちゃんは」

「――ああ?」


 反射的に俺は、先輩達を睨み付けていた。


「今何つったよ!?」


 前言撤回。

 我慢なんて、するだけ無駄だ。

 吠える様に声を荒げた俺に、先輩達は呆れたような余裕の笑みを向けてくる。


「なんだよ。アキナちゃんて呼ばれんの嫌いだっけ」


 ――その通りだよ、バカ野郎!!


 溢れる怒りに任せて1人の胸倉を掴んだ時、遠くから「コラ! 高槻!!」って、俺を呼ぶ顧問の声が響いてきた。
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