蜜月 -love is blind-【BL】
 普段コンタクトを使ってる俺には、並べられている眼鏡がどれも同じに見えて、どれを選んでも良いように思えてくる。

 そっと腕を動かして、何気なく目についた青いフレームの眼鏡を手に取ってみた。

 これくらいの動作なら、痛みはないみたいだ。


「君も視力悪いんだっけ?」


 俺が見ていた鏡に神宮が割り込んで来て、そんなことを聞いてくる。


「ああ、コンタクト使ってる」

「眼鏡に変えてみたら? 少しは頭良さそうに見えるよ」

「……余計なお世話だ」


 小さく笑う神宮に文句を投げて、俺は眼鏡を外す。

 元の位置に戻して、今度は隣にある赤いフレームのヤツを取り上げた。
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