蜜月 -love is blind-【BL】
「お前には期待してるんだから、怪我とかやめてくれよな。マネージャーにアイシングの準備させておくから、無理するんじゃないぞ」
「おう」
「おう、じゃないだろ」
言って先生は、軽く俺を小突いてくる。
笑ってごまかした俺は、何度か屈伸して筋を伸ばしてみた。
変な痛みでは、無いと思う。
取り敢えず、1回跳んで様子を見てみよう。
そう決めた俺は、順番待ちをしてるヤツらの後ろに着いた。
バーを軽々跳んでいくヤツらを見ている内に、俺の番がやってくる。
深呼吸して、少し先にあるバーを見据えた。
助走を付けて、軸足で踏み切って跳び上が――……った、筈だった。
バーを越えることなくマットの上に倒れ込んだ俺は、再び右膝を襲った痛みに――悶える。
「――……痛ぅっ! う、あぁ……っ!」
なんだ、これ。
マットに倒れた衝撃も。
下敷きにしたバーに打ち付けた肩の痛みも。
簡単に薄れていく。
なのに。
膝だけが、悲鳴をあげる。
俺、跳ばなきゃなんねーのに。
記録、出さなきゃなんねーのに。
ホント。
何なんだよ、これ……。
「おう」
「おう、じゃないだろ」
言って先生は、軽く俺を小突いてくる。
笑ってごまかした俺は、何度か屈伸して筋を伸ばしてみた。
変な痛みでは、無いと思う。
取り敢えず、1回跳んで様子を見てみよう。
そう決めた俺は、順番待ちをしてるヤツらの後ろに着いた。
バーを軽々跳んでいくヤツらを見ている内に、俺の番がやってくる。
深呼吸して、少し先にあるバーを見据えた。
助走を付けて、軸足で踏み切って跳び上が――……った、筈だった。
バーを越えることなくマットの上に倒れ込んだ俺は、再び右膝を襲った痛みに――悶える。
「――……痛ぅっ! う、あぁ……っ!」
なんだ、これ。
マットに倒れた衝撃も。
下敷きにしたバーに打ち付けた肩の痛みも。
簡単に薄れていく。
なのに。
膝だけが、悲鳴をあげる。
俺、跳ばなきゃなんねーのに。
記録、出さなきゃなんねーのに。
ホント。
何なんだよ、これ……。