蜜月 -love is blind-【BL】
「君は、別だよ……」
たったそれだけの言葉でも嬉しくて。
「──ぅわ、……っ」
俺は、神宮を抱き締めたまま、ベッドに倒れ込んだ。
身長はそんなに変わらないが、神宮の方が断然細い。
肉付きが全然違う。
肩も、腕も、腰も、触れるところ全てが華奢で、壊れてしまうんじゃないかと思うほど。
「……高槻、くすぐった、い……っ」
「気持ちいいの間違いじゃねーの?」
「馬鹿なこと言ってないで放してよ!」
「いいじゃん、減るもんじゃねぇし。つか、お前の気持ちって何?」
「はぐらかさないで」
「そうしてんのはお前だろ」
間近で視線が絡んで、引き寄せられるようにキスをする。
珍しくばつの悪い顔をする神宮は、細い両手で俺のシャツを掴んできた。
「……高槻は──」
言いながら、俺の胸に額を押し付けてくる。
俺の視線から逃げてるのが見え見えだ。
「……っ」
言い淀む神宮の背を撫でてやると、少し落ち着いたのかシャツを引く力が弱まった。