VOICE
そして、今に至る。


寮の自分の部屋でぽつんと座る私の手には───


カミソリ。


机の上に置いた───


遺書。


準備はできた───。


もう何も思わない。


もう何も感じない。


やっと楽になれる───。


私はカミソリを自分の手首に押しあてた。

痛いと思ったのは一瞬で。

その後は、もう、ただひたすら手首から流れる血を見ているだけで。


そして───。

目の前が真っ暗になった─────。
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