幸せのつぼみ。
気になる人とは、同学年7組の子。
詳しくは知らないけど、かっこいい人。
1回しか見た事がない。
彼女、いないといいけど。
「ねえ、君」
寮の前で、ボケーっとたっていると、
声をかけられた。
「は、はい?!」
驚きながら後ろを見ると…
「入らないなら、よけてくれないかな…」
「あ…。す、すみません!」
ドアの前でたっていたから、邪魔だったのだ。
私は急いでよけると、軽く頭を下げた。
「あれ…?今の人…」
今の人は、“気になる人”とは違うけど、
すごくかっこよかった。
ネクタイが緑だったから、3年生…だし。
「あ、あの!すみません!」
声を、掛けてしまった。
緊張のあまり、私は顔を赤くした。
「何ですか?」
彼は振り向くと、少しだけ首をかしげた。
少しだけ歩くと、相手もこちら側へ
…寄ってきた。