幸せのつぼみ。
「優梨亜、試験、受かったんだね!」
学校では、試験の合格発表が行われていた。
辺りは見る見るうちに人が増えていて、
その人たちは、皆、とある1枚の紙と、にらめっこをしていた。
急に笑い始める人もいれば、
飛び跳ね始める人。
泣く人もいれば、怒る人も。
「うん、ギリギリ。七海は?」
そう、紙は、合格発表の知らせ。
この学園は、幼等部から、高等部までがある。
とても有名な学園。
毎年、すべての最上級生が試験をし、受かれば次の学年に移れることになっている。
幼等部年長さんは、小等部へ。
小等部6年生は、中等部へ。
ここは学園中心広場にあるお知らせ掲示板の前。
最上級生たちはどの学年も集まってくる。
「私さ、落ちちゃったんだ!アハハ!」
親友の落合 七海(おちあいななみ)。
元気で、運動神経はいいけど、
中等部に入ってから急に成績が悪くなった。
「でもね…悔しいよ」