ましゅまろ彼氏
一気に恥ずかしさが込み上げ、顔が真っ赤になるのが分かった。
 恥ずかしさを誤魔化すために、目の前でニヤニヤ笑ってる奴をキッ、と睨み、叫んだ。
「ハレンチ男!!!」
 すると彼は一瞬呆然とした顔をした後、盛大にふきだした。
「あはははははは!!ふっる!!あはははは!!」
 彼の力が緩んだ隙に逃げて距離を取ったが、まったく気にせず彼は笑い続けた。だけど不覚にもその素直な笑顔に心がときめいてしまった。そして、ふと思った。
「なんだ。素直に笑えるんだ・・・」
 天使みたいな笑顔も、意地悪な笑顔も、美奈にはどこか影を落とした感じがしてならなかった。天使みたいな笑顔も、意地悪な笑顔も見とれてしまう程のものだったけど、素直に笑った笑顔の方が、何倍――何十倍もカッコイイ。
 いつの間にかまた翔に見とれてしまったらしい。頬が少し熱くて、ドキドキしているのが自分でも分かった。
 これがいわゆる恋・・・?ううん、そんな訳あるはずない。だってこんなハレンチな
< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop