2人ずっとこのままで
キス
「懐かしいね、あれから1年かぁ〜。いっぱい遊んだね」
青い空を見つめながら、南が呟く。1年間の思い出をたどりながら…。
俺も、楽しかった思い出がたくさん蘇ってきた。頭ないし、すぐ忘れる事が多いのに、南と一緒にいた思い出は鮮明に残っている。
「だよなー。いつも一緒にいたよな」
「うん…。これからも…だよね?」
南が心配そうにそう言った。びっくりした。何でそんなに心配そうなのか、俺には全く理解出来なかった。
そんなこと聞かなくても…俺はずっとお前といるのに。だから俺は自信満々に言った。
「当たり前じゃん!!」
「よかったぁ…」
俺の言葉を聞いて、ホッと胸を撫で下ろす。
でも…納得がいかない。理由が聞きたい。
「…何で」
「えっ?」
「…何でそんなに心配そうなんだよ」
思い切って聞いてみた。南はなかなか答えてくれなかった。しばらく沈黙が流れて、ようやく答えてくれた。
小さな声で、か細い声で…。
『トシがいつか離れていきそう』って。