恋の相手は白黒王子

「そ、さっきの君のえっちぃな声、司に送っちゃった」



語尾にテヘッ、がつくような口調で、啓太が笑う。


「ふ、ふざけないでよ!!」


「大真面目。場所も教えてあるから、そろそろくるんじゃない?」



「…それで、どうするつもり?」


「司の目の前で、君に破廉恥なことする」



どうしてそんなに楽しそうなの?


「…司は、こないよ」


「は?」



くるわけ、ないよ。


「今日は用事があるって言ってた。だから、こない」


「姫嘉ちゃん…分かってないんだね」



啓太は溜め息を吐き、私の頬に触れる。


思わず、身体が固まる。



「司は…もう姫嘉ちゃんの虜なんだよ?…こないはず、ないだろ」


「何言ってるの?そんなわけ…」



「本当に分からないの?…君は男を魅了する力をもってるのに」


「っ…」



意味が分からない。

どうしてそんなに切なそうに笑うの?






「―――姫嘉っ…!!」