恋の相手は白黒王子
「…っ、何で」
何でくるの?
来たって良い事ない…、なのにどうして…っ
「どーも、司君」
「はぁ…っ、姫嘉を返しやがれっ…」
司はひどく息を乱しながら啓太を睨む。
…怖い。
「残念ながらそれは出来ないかなぁ」
相変わらずの余裕っぷりが、司の顔に眉間を増やす。
「ふざけやがって…姫嘉に何をしやがった!?」
「…分かってるくせに」
啓太が言い終える少し前に、司が動いた。
「っ、司…!」
啓太に掴みかかる司を止めようと、必死に身を乗り出す。
司は、私の言葉など聞こえてないかように、その力をさらに強める。
まるで獣のように殺気立っている司に、さすがの啓太も少し身を引いた。
「てめぇ…殺されてぇのかよ」
「いいや、まだ死にたくないね」